Last day in Santa Barbara

この日にサンタバーバラに来てからあっという間に3年間が経った。2年間住んだ Berkshire Terrace ともお別れである。 家具の大部分は FaceBook のコミュニティを通して UCSB の学生に買い取ってもらったので大きいもので捨てるものはほとんど無かった。 窓際のL字型の机 キッチン&ダイニング アパートと壺 2年間住んだアパート。Berkshire Terrace バスの中から見たダウンタウン 空港への道中

September 11, 2021

UCSBポスドク記

Henly Gate キャンパス内 キャンパスビーチとラグーン 2017 年秋 海外ポスドクを志す 昔からいつかはアメリカで研究してみたいという漠然とした思いがあった。博士号取得後の 2018 年 4 月からの勤務先は決まっていたが、もしもうまく海外ポスドク先が決まれば退職して海外へ行くという意向をボス(予定)に相談したところ快諾して頂いた。この時期から海外ポスドク先を探し始めた。ラボ選びの方針は以前の記事で書いた通りである。また同時期にElings Prize Fellowshipにも応募した。 2018 年 2 月 Elings Prize Fellowship のオファー 幸運にもカリフォルニア大学サンタバーバラ校から Elings Prize Fellowship のオファーレターを頂き(日本人初)、同大学のAndrea Young グループに同年 10 月から行くことが決定した。 ※上のオファーレターによると 2018 年では Elings Prize Fellowship の年間給与予定額は 60000USD (~ 660 万円)だが、2021 年現在は公式サイトにある通り 65000USD になっている。また UC サンタバーバラのポスドクの給与は年間 2%上昇する(これはフェローシップに限らない)。したがって 2021 年現在 Elings Prize Fellowship を獲得すると 1 年目 65000USD, 2 年目 66300USD, 3 年目 67626USD (~ 743 万円) となる。 2018 年 3 月 博士(工学)取得 博論審査を無事に通過して、東大から博士号が授与された。同時期に幸運にも日本学術振興会育志賞も頂いた。...

September 10, 2021

写真で振り返るサンタバーバラ滞在記

渡米直後 渡米直後に最初に住んだ部屋。アイラビスタの Trigo Rd にある 7-8 人くらいが住めるシェアハウス。同じ時期に ICU から交換留学のような制度で女子学生が二人来ていた。彼女達は二人とも英語がペラペラでキャンパスの情報などを時折仕入れてくれたり、時には日本食をプレゼントしてくれたりなどとてもお世話になった。(学部生の彼女達からみたら私は毎日深夜頃にラボから部屋に帰ってくる異様な存在だったのではないかと思う。) アイラビスタの街並み アイラビスタは人口の大半が学生の街である。スケボーに乗ってる人やサーフボードを持ってる人を多数見かける。治安はとても良い。ニューヨークと比べて時間がとてもゆっくり流れていて、穏やかな人が多く、これといった(人種)差別を受けたことは 3 年間で一度もない。ただし、たまによそ見をしているスケボーダーが突っ込んできたり、スケボーダーが転んだ際にボードがこちらに突っ込んでくることがあるので注意。 カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB) 多分 UCSB の正門(キャンパスの東側にある)。めったに使わない。 キャンパス内 キャンパスビーチ 研究で疲れたときはぼーっとビーチを見ると癒やされる。 Downtown 赤い屋根が特徴的なスペイン風の美しい建物が多い。ワイナリーや海鮮系のレストランも多い。 サンタバーバラはウニの名産地なので、Sushi Go Go と Shell fish company というお店で妻とウニを食べた。 以下はサンタバーバラ外の場所である。 チャンネル諸島(Channel island) @ Ventura チャンネル諸島は、サンタバーバラ近くにベンチュラ郡に属する 8 つの島々で構成される諸島で国立公園にもなっている。シマハイイロギツネ(Island fox)という小柄なキツネが多数生息する。かなり人馴れしている。 リンダウ・ノーベル賞受賞者会議 @ Linadu, Germany 毎年 30 名程度のノーベル賞受賞者が世界中から招待され、若手研究者(大学院生やポスドク)に対して講演やディスカッションを行って下さる会議でドイツのリンダウで開催されている。 日本人は 10 名程度参加していた。詳細はこちら The Institute of Photonic Sciences @ Castelldefels, Spain リンダウの帰りにスペインのカステイダフェルス(Castelldefels)にある ICFO(The Institute of Photonic Sciences)という研究機関の中の Dimitri Efetov 研を訪問した。Prof. Efetov の大学院時代の研究テーマが私の大学院時代の研究テーマと似た内容だったために興味をもってもらい、大学院時代の研究テーマでセミナーをさせて頂いた。 ニューヨーク大学 @ NYC 2019 年 12 月頃(covid19 が中国で発見されたあたり?)にベクトルマグネット付きの希釈冷凍機を借りるためにニューヨーク大学の Javad Shabani 研究室を訪問した。冬のニューヨーク市は極寒で日によってはマイナス 10 度を下回ったりして顔中凍るかと思った。ニューヨーク市滞在中に体調を崩し、そこそこの熱(38 度以上)とひどい咳が出た。これがコロナの症状だったかどうかは今となっては知る由もない。ちなみに実験はうまくいかなかった(サンプルが全滅した)。

August 15, 2021

Shell Fish Company

サンタバーバラのスターンズワーフの先端にある Shell Fish Company という甲殻類がメインの海鮮料理店に行った。サンタバーバラはウニの名産地なので目的はウニだった。 ホタテの上に乗ったウニがとても美味しかった。

August 14, 2021

若者の街、アイラビスタ

住民の大半が学生で構成されているアイラビスタはカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のすぐ東側に位置する小さい町である。 一年中快晴の地中海性気候(冬に少し雨が降る)のせいか、ビーチ沿いのせいか、学生街だからか、治安はとても良い。ビーチに隣接しているので街中には夏冬関係なく水着姿の学生が散見され、ビーチではサーフィンしている学生も多い(例えばある学生の一日の様子が Youtube にある=>A Day in My Life at UCSB )。下記は 2021 年 1 月に撮影したアイラビスタのビーチの写真である。(気温は 15-20℃ くらいだった。) デルプラヤ アイラビスタのデルプラヤ(Del Playa Drive)というビーチ沿いのストリートは現地ではかなり有名で、第3セメスター(semester)後の春休み明け(4 月頭)になるとデルトピアと呼ばれる盛大なパーティーが街中で開催される。このパーティーのために、ときにはカリフォルニア中からこの小さい街に学生が集まるとも言われている。このデルトピアのためか、UCSB は全米でも有数のパーティー大学としても有名である。もっともデルプラヤではデルトピアの日に限らずほとんど毎日各家でパーティー(日本で言うところの学生の宅飲みだが、爆音で音楽をかけながら庭で(時として上裸または水着で)謎のテーブルゲームをしながら行う点が異なる)が行われているのでパーティー三昧の学生生活を謳歌したければデルプラヤのどこかに住むのが良いし、そうでなければなるべくデルプラヤから離れた場所に部屋を借りるのが賢明である。ちなみに私は後者を選択した。 スケボー文化 アイラビスタにはスケボーが自転車並に使われている。平時であれば自転車よりも多くみかけるかもしれない。UCSB キャンパス内にはスケボーの専用レーンがあるほどである。裸足でスケボーに乗っている人もいれば(街中には裸足の人が意外に多い)、サーフボードを抱えながら乗りこなす人もいたりする。

August 11, 2021

Jamie Sloan Wines

ダウンタウンのワイナリーでとても良い雰囲気な所を見つけた。店員の方がワインの産地についてとても詳しく説明してくれたが英語が早すぎて3 − 4割分からなかった。

August 6, 2021

ポスドク@UCSBでの実験について

Broida Hall (物理学棟) Broida Hall は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のキャンパスの東側にある物理学科の建物で、ここに各研究室の居室や実験室などがだいたい入っている。 実験室の近く。実験室の扉を開けるとすぐ外に出る。液体窒素などの汲み場はすぐ近くにあり、便利である。 研究グループの居室。窓が無いのが残念。 サンプル作製と測定 サンプルの作製 実験では、まずスコッチテープ法という手法(2010 年ノーベル物理学賞)でグラファイトや六方晶窒化ホウ素などを劈開して(スコッチテープで手で剥がしていく)それらの原子層(ナノメートルスケールの厚さのもの)を準備する。これらを積層する(重ねる)ことでサンプルを作製する。私の研究では各層(主にグラフェン)の結晶方位に対する相対角度を制御して積層していき、モアレ構造を作成する。(例えばこちらの記事を参照。)実際のサンプル作製に関しては下記の Youtube 動画が分かりやすい スコッチテープ法に関して 原子層の転写に関して 実際の原子層の光学顕微鏡の写真。右から六方晶窒化ホウ素、グラフェン、六方晶窒化ホウ素。これらを積層するとその下の写真になる。 デバイス加工 積層したサンプルをデバイスに加工する。これらのプロセスはキャンパス内の共同利用施設であるクリーンルーム(UCSB Nanofabrication Facility)で行う。企業なども利用でき(ただしかなり高額)、例えば Google の量子コンピュータ部門(サンタバーバラ近くの Goleta にある)もハードウェアの部品の作成などに利用している。クリーンルーム内の装置(主に走査型電子顕微鏡、Etching 装置、蒸着装置)を利用して、加工していく。 クリーンルーム内 Wet bench:試薬の使用など。 走査型電子顕微鏡: デバイスのデザインのパターニングに使用。装置の詳細はこちら 電子ビーム蒸着装置:電極の作成に使用。装置の詳細はこちら 完成したデバイスの例がこちら。 デバイスのサイズは 10-20 マイクロメートル程度である。このデバイスは実際に論文中のデータ取得に使ったものでこの論文 (arXiv 版)中の Device #1 と同一のものである。 実際にどのように電極がデバイスに電気的に接しているかはこちらの論文を参照。 測定 デバイスが実際に測定可能か、つまり最低限電気的にコンタクトがとれているか、ゲートがリークしていないかをプローブステーションでチェックする。針のようなもの(プローブ)を電極パッドに接触させて、任意の電極間の抵抗値などを測定する。 冷凍機に入れるためにまずこのような冷却用プローブの先端にデバイスを設置する。 希釈冷凍機(写真左側の大きい白い円筒状のもの)で最低温度 10mK(つまりセルシウス度で-273.14℃、絶対零度よりも 0.01℃ だけ高い)まで冷却し、デバイスの特性、例えば電気抵抗値や量子キャパシタンスなどを測定する。希釈冷凍機の仕組みはこちら。冷凍機や測定装置の制御には LabRAD を用いていた。 そこまでの低温が必要ない場合は液体ヘリウム(+減圧)を用いて、1.5K まで冷却して測定を行う。希釈冷凍機が最低温度 10mK まで 10 時間程度かかるのに対して、こちらは 2-3 時間で最低温(1.5K)までいくことができる。写真の冷凍機は今のラボができる前にこの実験室を使用していたラボが数十年前に購入し使用していた(古代の)冷凍機でメンテナンスが大変である。 研究テーマと論文 UCSB では、twisted2 層グラフェンという 2 枚のグラフェンをある特定の角度(1....

July 27, 2021

First day in Santa Barbara

今日からカリフォルニア・サンタバーバラでの生活が始まった。 ロサンゼルス空港から出たあとはサンターバーバラシャトルバスに乗ってサンタバーバラに向かう。 アイラビスタの Trigo Rd.にあるシェアハウスでまず生活を立げていく。

September 29, 2018